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2025年10月スタート!「教育訓練休暇給付金制度」で社員のリスキリングを進めましょう

厚生労働省「教育訓練休暇給付金制度」で社員のリスキリング

 

 

こんにちは。アンドディー(社会保険労務士事務所)の川崎です。

ようやく暑さも落ち着き、秋の涼しい空気が感じられるようになりましたね。
食欲の秋、読書の秋、実りの秋、芸術の秋、スポーツの秋。気候の穏やかなこの季節に、新たな学びを始められる人もいらっしゃるかと思います。

そこで今回は、2025年10月に始まった「教育訓練休暇給付金」をテーマにしたいと思います。

新設された目的や制度内容、会社が制度を導入する場合に必要な準備や注意点についてお伝えしますので、ご一読いただけると幸いです。

 

 

 

1.教育訓練休暇給付金とは?


2024年5月に、雇用保険法等の一部を改正する法律が成立し、「多様な働き方を実現するための環境整備」や「働く人の能力開発」を目的に、教育訓練給付の給付率の引き上げや雇用保険の適用拡大などに関する改正が行われました。

その改正内容のひとつが「教育訓練休暇給付金」の創設です。

教育訓練休暇給付金は、雇用保険の被保険者が在職中に教育訓練を受けるための休暇を取得した場合に、賃金の一定割合の支給を受けられる制度で、2025年10月1日からスタートしました。

 

 

2.制度創設の背景

 

前述のとおり、教育訓練休暇給付金は、労働者のスキルアップや学び直しを後押しし、教育訓練を受ける期間中の生活を経済的に支援する目的で創設されました。

普段働いている社会人がスキルアップのために学習する場合、時間は限られ、学習に集中することは大変困難です。

また、スキルアップの為に一時的に仕事から離れる場合は、経済的な負担が懸念されます。ご家族のいる労働者ともなれば、不安は尚更でしょう。

これまでは、労働者が自発的に教育訓練に専念するために仕事を休む場合、その期間中の生活を経済的に支援する公的制度はありませんでした。

そこで、労働者の経済的不安をなくし、リスキリングや学び直しに集中できる環境を整えることを目的とし、新たに給付金制度が創設されることになりました。

 

 

3.支給対象者・受給期間・給付日数・給付日額

 

「教育訓練休暇給付金」の支給対象者・受給期間・給付日数・給付日額は、以下の通りです。

1)支給対象者

以下の2点の要件を満たす必要があります。

1. 休暇開始前の2年間に、12か月以上の被保険者期間があること
(原則、11日以上の賃金支給の基礎となった日数のある月が、算定の対象になります)

2. 休暇開始前に5年以上、雇用保険に加入していた期間があること
(過去に基本手当(失業給付)や教育訓練給付金、出生時育児休業給付金を受けたことがある場合、通算できない期間が生じる場合があります)



2)受給期間

給付を受けられる期間は、休暇開始日から起算して「1年間」です。受給期間内の教育訓練休暇を取得した日について、支給を受けられます。



3)給付日数
被保険者期間に応じて90日、120日、150日のいずれかになります。

・5年以上10年未満:90日
・10年以上20年未満:120日
・20年以上:150日

給付日額は、原則休暇開始前6か月の賃金日額に応じて算定されます。(失業給付の算定方法と同じで、休暇開始前の前日を離職日とみなして算定されます)

 

(4)「教育訓練休暇」の対象となる休暇

1)就業規則や労働協約に規定された休暇制度に基づく休暇

2)労働者本人が教育訓練を受講するため自発的に取得することを希望し、事業主の承認を得て取得する30日以上の無給の休暇

3)以下に定める教育訓練等を受けるための休暇
1.学校教育法に基づく大学、大学院、短大、高専、専修学校または各種学校が提供する教育訓練等
2.教育訓練給付金の指定講座を有する法人等が提供する教育訓練等
3.職業に関する教育訓練として職業安定局長が定めるもの(司法修習、語学留学、海外大学院での修士号の取得 等)


(5)導入にあたって

会社は、教育訓練休暇制度を就業規則または労働協約等に規定し、そのことを労働者に周知する必要があります。
その後、労働者から教育訓練休暇の取得について会社に申し出があれば、調整の上合意します。

合意後は、労働者から提出された「教育訓練休暇取得確認票」に必要事項を記載し、「賃金月額証明書」を作成の上、事業所を管轄するハローワークに提出します。(「賃金月額証明書」の提出期限は、対象労働者の休暇開始後、当該休暇開始日の翌日から起算して10日を経過するまでの間です)



(6)注意点

当制度の休暇は、あくまで「労働者の自発的な学習休暇」ですので、会社側から強制的に休暇を取得させるために活用することは認められません。(なお、会社や上司からの案内がきっかけであっても、本人の意思で取得を希望する休暇であれば対象となります)

また、労働者に教育訓練に専念しもらう為、教育訓練休暇中に出勤を求めることも認められず、30日以上連続して無給の休暇を取得させる必要があります。
(もし、休暇開始時には予期できなかった理由により、結果的に収入が発生する就労をした場合は、当該日については給付金の支給はナシとなります)

 

【参照資料(厚生労働省)】

(1)「教育訓練休暇給付金」

(2)「教育訓練休暇給付金のご案内(パンフレット)」

(3)「労働者向け:教育訓練休暇給付金のご案内(簡略版リーフレット)」

(4)「事業主向け:教育訓練休暇給付金のご案内(簡略版リーフレット)」

 

 

 

まとめ

 

今回ご紹介した給付金は、有給休暇の付与による負担の軽減や労働者の主体的なスキルアップにつながるほか、労働者がその能力を成果として還元することも期待でき、労働者だけでなく会社にもメリットがあるかと思います。

 

労働人口の減少によって外部からの人材獲得が難しくなる中、会社の成長のために人材育成の取り組みは欠かせません。

今回創設された教育訓練休暇給付金の内容についてよく理解し、従業員の能力開発に活用できるよう、制度導入に向けた準備を進めましょう。

 

就業規則や労働協約への規定方法、支給申請手続き等についてご検討されている会社担当者の方は、当事務所までお気軽にお問合せ下さい。

 

以上、アンドディー(社会保険労務士事務所)の川崎でした!

 

以上、アンドディー(社会保険労務士事務所)の安達でした!

 

 

 


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