大阪市中央区|社会保険労務士事務所アンドディー【大阪 社労士】
人材を人財に変える社労士事務所・アンドディー
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こんにちは。アンドディー(社会保険労務士事務所)の川崎です。
今回のテーマは「2025年に予定されている人事関連法改正」です。
毎年のように法改正が行われていますが、今年も特に重要な改正が目白押しです。
この記事では、2025年に実施される法改正のポイントをまとめてご紹介します。
各改正の詳細については、今後のブログで詳しくお伝えしたいと思いますので、まずは大まかな流れを確認していきましょう。
1)労働安全衛生規則
2025年に施行される改正内容は、1月、4月の2回に分かれて行われます。
【2025年1月1日施行の改正内容】
労働者死傷病報告における報告事項の電子申請義務化、その他の労働安全衛生法令に基づく各種報告の電子申請義務化
上記は、2024年12月16日掲載のブログにまとめています。
【2025年4月1日施行の改正内容】
事業者が行う退避や立入禁止等の措置について、 以下を対象とする保護措置が義務化
1 危険箇所等で作業に従事する労働者以外の人
2 危険箇所等で行う作業の一部を請け負わせる一人親方等
労働安全衛生法に基づく省令改正により、作業を請け負わせる一人親方等や、同じ場所で作業を 行う労働者以外の人に対しても、労働者と同等の保護が図られるよう、必要な措置を実施することが事業者に義務付けられるものです。
2)障害者の雇用の促進等に関する法律施行規則
現在の民間企業の障害者法定雇用率は「2.5%」です。従業員を40人以上雇用している事業主は、障害者を1人以上雇用しなければなりません。
しかし、特定の業種における企業は、業務の性質になじまないなどの理由から雇用義務の軽減措置が設けられています。
これを「除外率制度」といい、建設業や鉄鋼業「20%」、鉄道業や医療業・高等教育機関「30%」のように、業種に応じて異なる割合が適用されています。
2025年の改正により、除外率等に関する改正が行われます。
【2025年4月1日施行の改正内容】
1 設定業種の除外率をそれぞれ10%ずつ引下げ
2 既に除外率10%以下の業種については制度の対象外へ
3 障害者雇用納付金関係助成金の拡充と新設
4 障害者雇用調整金・報奨金の支給方法の見直し
3)雇用保険法施行規則
雇用保険法施行規則の改正では、以下の2点がポイントとなります。
【2025年改正のポイント】
1 高年齢雇用継続給付に関する改正(逓減給付率)
2 教育訓練給付関係の様式の改正
1については、従来は「60歳以後の賃金がそれまでの賃金の75%未満になる場合、65歳に達するまでの期間は各月の賃金の15%を支給する」という内容になっていました。
改正後は同給付の給付率が10%に縮小されることとなります。
また、2については、企業が教育関連給付を受ける際の「受給資格確認票等の提出期限の緩和」や「訓練前キャリアコンサルティングの留意事項の追加」が行われます。
4)高年齢者雇用安定法
高年齢者の雇用については、2013年の改正において、企業に以下のいずれかの措置を講じることが義務付けられています。
【2013年改正のポイント(2025年に経過措置期間終了)】
1 定年制の廃止
2 65歳までの定年の引上げ
3 希望者全員の65歳までの継続雇用制度(再雇用制度等)の導入
従来は一定の要件を満たすことで対象者を限定できる経過措置が設けられていましたが、2025年4月1日以降は措置期間が終了し、希望者全員に65歳までの雇用機会を確保しなければならないこととなります。
5)雇用保険法
【2025年4月1日施行の改正内容】
1 自己都合退職者が自ら教育訓練等を受けた場合の給付制限解除
2 就業促進手当の見直し(就業手当の廃止および就業促進定着手当の給付上限引下げ)
3 教育訓練支援給付金の給付率引下げおよび暫定措置の2026年度末までの継続
4 雇止めによる離職者の基本手当の給付日数に係る特例、地域延長給付の暫定措置の2026年度末までの継続
【2025年10月1日施行の改正内容】
教育訓練休暇給付金の創設
1)育児・介護休業法
2024年5月に育児介護休業法の改正法が成立したことにより、2025年4月1日と2025年10月1日にその一部が施行されます。
【2025年4月1日以降で施行される改正内容】
1 子の年齢に応じた柔軟な働き方を実現するための措置の拡充
① 3歳以上、小学校就学前の子を養育する労働者に関する「働き方の柔軟化措置」の義務化
② 3歳未満の子を養育する労働者がテレワークを選択できるような措置を講ずる努力義務化
③ 所定外労働の制限対象の拡大(3歳未満の子を養育する労働者から小学校就学前の子を養育する労働者へ)
④ 子の看護休暇の拡大
2 名称が「子の看護休暇」から、「子の看護等休暇」に変更
(学級閉鎖や入学式・卒園式も休暇の対象となる)
3 育児休業取得状況の公表義務対象の拡大(従業員数1,000人超企業から従業員数300人超の企業へ)
4 介護に直面した従業員に対する個別の制度周知・意向確認、雇用環境整備の実施の義務化
【2025年10月1日施行の改正内容】
2025年10月1日からは、妊娠・出産の申出時あるいは子が3歳になる前に、労働者の仕事と育児の両立について個別に意向聴取・配慮することが事業主に義務付けられます。
2)子ども・子育て支援法
2024年に「子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律」が成立したことにより、2025年には以下の改正が実施されます。
【2025年4月1日施行の改正内容】
3)次世代育成支援対策推進法
「次世代育成支援対策推進法」とは、子どもの健全な育成の支援を目的に、2005年に施行された時限法です。
当初は10年間の適用期間が定められていましたが、延長が重ねられ、2024年に「2035年3月31日までの延長」が決定されました。
これにより、一定の規模以上の企業には、一般事業主行動計画策定時に「育児休業取得等に関する状況把握」、「育児休業取得状況や労働時間の状況に関する数値目標設定」が義務付けられます。
3歳に満たない子を養育する被保険者等の標準報酬月額の特例の申出等について、従来は「戸籍謄(抄)本または戸籍記載事項証明書の原本」および「住民票の写し」を添付する必要がありましたが、2025年の改正により、事業主による確認を受ければ、「戸籍謄(抄)本または戸籍記載事項証明書の原本」の添付を省略することが可能になりました。
「労働者死傷病報告の報告事項が改正され、電子申請が義務化されます(令和7年1月1日施行)」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/denshishinsei_00002.html
「2025年4月から事業者が行う退避や立入禁止等の措置について、 以下の1、2を対象とする保護措置が義務付けられます」
https://www.mhlw.go.jp/content/001254088.pdf
「障害者の法定雇用率引上げと支援策の強化について」
https://www.mhlw.go.jp/content/001064502.pdf
「令和6年雇用保険制度改正(令和7年4月1日施行分)について」
https://www.mhlw.go.jp/content/11601000/001293213.pdf
「育児・介護休業法 改正ポイントのご案内 令和7(2025)年4月1日から段階的に施行」
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001259367.pdf
「養育期間の従前標準報酬月額のみなし措置」
https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo/menjo/20150120.html
2025年は、育児・介護を中心に、人事・労務関連の変革の1年となりそうです。特に、育児・介護休業法の改正内容はかなり複雑です。従業員からいつ問い合わせ・相談が来ても迅速な対応ができるよう、雇用環境整備や制度の見直し、対象者への説明準備など、早めに対策を進めておきましょう。
各改正の詳細や、今回のブログに書ききれなかったその他の法改正情報については、今後のブログで随時ご紹介していきたいと思います。
法改正や労務対応についてご不明な点がありましたら、ぜひ当事務所までお気軽にお問い合わせください。
以上、アンドディー(社労士事務所)の川崎でした!
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