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実務のキホン!『割増賃金』編~きちんと計算できていますか?~

 

 

こんにちは。アンドディー(社会保険労務士事務所)の安達です。

 

すっかり寒くなり、今年も残すところあと一月…よい締めくくりができるよう一日一日頑張ろうと思う今日この頃です。

 

さて、今回のブログでは、割増賃金の基本についてご紹介したいと思います。

 

なお、中小企業については、令和541日から月60時間超の時間外労働に対する割増賃金率が50%以上に引き上げられますので、知らなかった!という方は、当方の過去ブログもご一読いただけますと幸いです。

 

■過去ブログ

2023年4月1日から中小企業も割増賃金率引き上げの対象になります!

~月60時間超の時間外労働をさせた場合、割増賃金率50%に~

 

 

1.割増賃金って?

 

「時間外手当」、「休日手当」、「深夜手当」の3種類のことをいい、それぞれに支払う条件や割増率が異なります。

 

1.時間外手当

 

「法定労働時間(1日8時間・週40時間)」を超えて勤務させた時間(時間外勤務)については、「25%以上割増」した賃金を支払わなければなりません。

ただし、会社ごとで決めている「所定労働時間」を超えて勤務させた場合で、その時間が法定労働時間を超えない範囲内なのであれば、割増までは不要です。(通常の賃金の支払いは必要)

 

 

2.休日手当

 

「法定休日(週1日)」に勤務させた時間(休日勤務)については、「35%以上割増」した賃金を支払わなければなりません。

ただし、休日勤務が長引いて(1)の時間外勤務となった場合でも、時間外勤務の割増までは不要です。

 

また、週休2日制の場合で、法定休日(週1日)以外の休日である「所定休日」に勤務させた時間については、時間外勤務の割増対象となる場合はありますが、休日勤務の割増までは不要です。

 

 

3.深夜手当

 

「午後10時から翌午前5時まで」に勤務させた時間(深夜勤務)については、「25%以上割増」した賃金を支払わなければいけません。

もし、(1)の時間外勤務が長引いて午後10時以降の深夜勤務となった場合は、「時間外+深夜」となり、その時間については「50%(25%+25%)以上割増」した賃金を支払うことになります。

 

また、(2)の休日勤務が午後10時以降の深夜勤務となった場合には、「休日+深夜」となり、その時間については「60%(35%+25%)以上割増」した賃金を支払うことになります。

 

 

2.割増賃金の計算方法

 

割増賃金を計算するにはまず、1時間あたりの賃金を算出する必要があり、月給制の場合は次の式で求めることができます。

「月給 ÷ 1か月平均所定労働時間」

この1時間あたりの賃金に、各月の時間外勤務・休日勤務・深夜勤務の時間数と割増率を掛けることで、割増賃金を計算します。

 

1.  月給

 

基本給だけでなく諸手当も含みます。諸手当のうち「家族手当、通勤手当、住宅手当、別居手当、子女教育手当、臨時に支払われる賃金、1か月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与等)」は含まれません。

ただし、家族手当・通勤交通費・住宅手当については、家族数・交通費や距離・家賃に関わらず「一律支給」の場合には、月給に含める必要がある点に注意が必要です。

 

2. 1か月平均所定労働時間

 

1年間の所定労働日数に、1日の所定労働時間数を掛け、12か月で割ることで求めることができます。

例えば、年間所定休日が122日、1日の所定労働時間8時間の場合の1か月平均所定労働時間は、「(365日-122日)×8時間÷12か月=162時間」となります。

 

 

3.端数処理

 

割増賃金の計算過程では、円未満の端数が生じることがあります。

この端数の処理方法については、以下のような取扱いであれば労働者の不利とは言えず、事務の簡略化を目的としたものと認められています。

 

(1)1か月における時間外労働、休日労働及び深夜労働の各々の時間数の合計に1時間未満の端数がある場合に、30分未満の端数を切り捨て、30分以上を1時間に切り上げること

 

(2)1時間あたりの賃金額及び割増賃金額に円未満の端数が生じた場合、50銭未満の端数を切り捨て、50銭以上1円未満の端数を1円に切り上げること

 

(3)1か月における時間外労働、休日労働、深夜労働の各々の割増賃金の総額に円未満の端数が生じた場合、50銭未満の端数を切り捨て、50銭以上1円未満の端数を1円に切り上げること

 

 

 

【参照】しっかりマスター労働基準法 割増賃金編(東京労働局HP)

 

【参照】3.残業手当等の端数処理はどうしたらよいか(東京労働局HP)

 

 

 

まとめ

 

今回は、割増賃金についてご紹介しました。

 

割増賃金などの給与計算はシステムを活用されている会社様が多いかと思いますので、念の為、基本のポイントを押さえておいていただければと思います。

 

その他、割増賃金でご不明な点がありましたら、お気軽にお問い合わせください。

 

 

以上、アンドディー(社会保険労務士事務所)の安達でした!

 

 

 


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