大阪市中央区|社会保険労務士事務所アンドディー【大阪 社労士】
人材を人財に変える社労士事務所・アンドディー
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こんにちは。アンドディー(社会保険労務士事務所)の川崎です。 新型コロナウイルスの再流行が全国的に拡大しております。
本稿執筆時点(2020.11.30時点)では、「雇用調整助成金」「小学校等休業等対応助成金」の申請期限が2021年2月末までに延長されるとの発表がありました。
今後も感染拡大状況に合わせて、各方面への影響が生じてくるものと思われます。
新たな情報を確認次第、当ブログでもご案内していきたいと思います。一緒に頑張りましょう!!
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そのような折、中小建設業の顧問先様から、助成金のご相談をいただく機会がございました。
当ブログでは、これまで各種の助成金をご案内して参りましたが建設業に特化した助成金については触れておりませんでしたので、この機会にご紹介したいと思います。
—–建設業の背景
建設業は、通常でも高年齢化による労働者不足が叫ばれています。
平成29年度の建設業就業者は55歳以上が約30%、29歳以下の若年層は約10%と、高齢化が進行しています。
また、建設業における女性技能労働者の数は全体の約3%と、製造業や小売業の女性割合と比べると、圧倒的に低い状況です。
背景には、建設業が「きつそう」「男性の仕事だ」という偏見が今もって先行していることが考えられます。
—–コロナ禍の影響
このコロナ禍によって更に離職・人材不足が起こることを懸念されている方も多いかと思いますが、若年層・女性の就業率の低下は、将来的に更なる労働者不足を招く恐れがあるのではないでしょうか?
そこで今回は、中小建設事業主様に向けて、「若年者や女性の建設労働者確保のための魅力ある職場づくり」を実施する事業主に与えられる助成金についてご紹介します。
ぜひご一読いただき、建設業での若者・女性の雇用促進や、労働者の育成、離職率ダウンにお役立ていただければと思います。
現在、建設系の助成金は、以下の3つに集約・運営されています。(令和2年度)
1.「トライアル雇用助成金(若年・女性建設労働者トライアルコース)」
2.「人材確保支援等助成金」(建設分野)
a.雇用管理制度助成コース
b.若年者及び女性に魅ある職場づくり事業コース
c.作業員宿舎等設置助成コース
3.「人材開発支援助成金」
a.建設労働者認定訓練コース
b.建設労働者技能実習コース
一つずつ詳細を見ていきましょう。
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1.トライアル雇用助成金「若年・女性建設労働者トライアルコース」
若年者(35歳未満)、または女性を建設工事現場での現場作業等に従事する者として一定期間施行雇用した中小企業事業主に対して助成されます。
金額は、1人あたり最大4万円(最長3か月)です。
トライアル雇用のため、ミスマッチングにも備えることができ比較的導入が容易と言えます。
建設労働者確保のきっかけになりやすいでしょう。
2.人材確保等支援助成金
a.「雇用管理制度助成コース(建設分野)」
従業員の定着を図るために、雇用管理の改善や生産性向上などに取り組む中小建設事業主に支給される助成金です。
人材不足の際、まずは現在就業している従業員に就業し続けてもらうための「職場環境の改善」を考えるときにご活用いただけます。
雇用管理制度の導入、実施について計画書を作成し、あらかじめ都道府県労働局長の認定を受けた後、計画の導入・実施によって離職率が低下するなど一定の要件を満たした場合に、下記の助成金が支給されます。
① 目標達成助成 若年者および女性の入職率目標を達成した中小建設事業主に対して助成されます。
金額は第1回目が57万円、第2回目が85.5万円です。
② 登録基幹技能者等の処遇向上支援助成 登録基幹技能者等の賃金テーブル、または資格手当を増額改定した中小建設事業主に対して助成されます。
金額は、一人当たり年額6.65万円または3.32万円です。(最長3年間)
b.「若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース(建設分野)」
若年者及び女性労働者の入職や、定着を図ることを目的とした事業を行った中小建設事業主に対して助成されます。
助成金額は、支給対象経費の3/5です。
c.「作業員宿舎等設置助成コース(建設分野)」
被災三県(岩手県、宮城県、福島県)に所在する工事現場での作業員宿舎、賃貸住宅、作業員施設の賃借事業を行った事業主がもらえる助成金です。
金額は、作業員宿舎等の設置の場合は支給対象経費の2/3、女性専用作業員施設設置の場合は支給対象経費の3/5です。
3.人材開発支援助成金
2コースとも名前が似ていてややこしいのですが、労働者に受けさせる内容が「認定訓練」なのか「技能実習」なのかという点が異なります。
a.「建設労働者認定訓練コース」
職業能力開発促進法で規定された指導員による認定職業訓練のことで、普通課程、短期課程、高度職業訓練、指導員訓練と幅広い種類があります。
普通課程の場合、園芸サービス系、金属加工計など全部で14の系統と37の科目があり、訓練期間はいずれも1年間です。
助成額は、以下の2通りになります。
【経費助成の場合】 広域団体認定訓練助成金の支給または認定訓練助成事業費補助金における補助対象の1/6
【賃金助成の場合】 1人あたり日額3,800円
b.「建設労働者技能実習コース」
雇用する建設労働者に、有給で技能実習を受講させた建設事業主に対して支給されます。
【経費助成の場合 】
① 20人以下の中小建設事業主:支給対象費用の3/4
② 21人以上の中小建設事業主: 35歳未満…支給対象費用の7/10 35歳以上…支給対象費用の9/20
【賃金助成の場合 】(一の技能実習につき最長20日間)
① 20人以下の中小建設事業主:1人当たり日額7,600円
② 21人以上の中小建設事業主:1人当たり日額6,650円 なお、各コースについて、さらに生産性要件を満たした場合の増額もあります。
詳しくは、厚労省のHPをご確認ください。
トライアル雇用から、スキルアップを伴う助成金まで、今回は建設業に係る助成金の概要をご紹介しました。
会社の費用負担を軽減しながら従業員の雇用を確保することで、様々な助成金を受け取ることができますので、ぜひ各種助成金を活用いただき、若年層・女性の土木技術者に活躍してもらうことを視野に入れられてはと思います。
今回は大まかに全体像について記載しましたが、次回、各助成金の詳細についてご案内させていただきたいと思います。
建設業に関する助成金申請をご検討中のご担当者様は、是非一度お問い合わせいただければと思います。
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